MONTHLY FEATURES 今月の特集
新米、いただきます
ふだんの食事では、ご飯より肉や魚に目が行きがち。
でも、新米の季節だけは「ご飯が主役」もアリじゃない?
地元の土と水、太陽、そして人の手で作られたみずみずしい新米はこの時季にしか出会えない、一番のごちそう。
美味しいご飯を頬張る至福に、どっぷりと浸かってみよう。
新米の季節がやってきた!
米一粒に7人の神様が宿る、といわれる。神様の正体には諸説あって、七福神だという説、五穀豊穣を司る神様だという説、米作りに大切な「土・風・太陽・水・雲・虫、そして作り手」という7要素を指すという説もある。いずれにしても、一年を通して風土や気候がもたらす恵みと、生産者の並々ならぬ苦労があってこそ実るありがたい米を、一粒も残さず大切に食すべし、という先人の教えを伝えているのだろう。 秋が近づいてくると、全国各地で稲刈りが始まる。米作りのサイクルは11月1日~翌年の10月31日を1年とする「米穀年度」という暦に沿っていて、年に1度の稲刈りで収穫されたお米は一部を残して低温貯蔵庫で保管され、数ヶ月またはそれ以上をかけて消費される。 「新米」とは、貯蔵されずにすぐに販売されるもの。収穫された年の12月31日までに精米して(=米の糠と胚芽を除去して白米にすること)包装されたものが新米と呼ばれ、同じタイミングで収穫されても、玄米のまま年を越したものは新米とはいえない。この短い期間にだけ流通しているのが新米なのだ。 いつものお米と新米の違いは「水分量」にある。収穫直後の籾の状態では水分量は20~25%で、その後15%ほどになるまで乾燥させる。新米はこの段階で精米をするから柔らかく水分量も多いが、貯蔵される間に少しずつ水分量が下がってしまう。実りの秋だからこそ頂けるつややかな新米はぜひ堪能したいものだ。
お米を〝選ぶ〟ことで広がる、楽しみ方
久留米近郊で店頭に新米がお目見えするのは8月上旬から。品種でいうと「コシヒカリ」が早く出回り始め、その後に福岡県の銘柄である「夢つくし」や「元気つくし」が続き、他の産地のお米も店頭に並ぶ。こうした様々なお米を銘柄や産地で選ぶということは、ひと昔前では考えられなかったこと。 日本人の主食であるお米はかつて「地域に必要な分のお米を、その地域で生産する」という考え方で、生産量や流通量が管理されてきた。生産した米はその地域で消費するもので、他の産地のお米を食べるという選択肢はなかった。しかし平成7年に食生活の変化に伴ってお米の流通が自由化されたことで、私たち消費者は全国のお米を選んで食べられるように、そして各地の生産者は品種改良や工夫を進めて選ばれるお米を作るようになった。こうしてお米の食味は格段に向上してきたのだ。 つまり今は、フルーツなどをブランドや産地で選ぶのと同じく、お米も選ぶ時代。自分で選んだ好みのお米を、ふっくらツヤツヤに炊き上げて頬張る瞬間は、何よりも贅沢! 新米の季節だからこそ、お米を主役に食卓を囲んでみてはいかがだろうか。
新米の美味しさをそのまま頂こう
水分が多く柔らかい新米は、水分が抜けやすくもあり、吸収しやすくもあるのが特徴。せっかくだから味や香りを損ねないように保存し、美味しく頂きたいものだ。そのためのコツをいくつかご紹介。
❶お米は生もの。精米をすると劣化しやすいため、できるだけ早目に食べきることが大切。大量にまとめ買いすると品質が落ちてしまうので、2週間くらいで消費できる量を買おう。お米屋さんで買うなら玄米をその場で精米してもらえるので、新鮮!
❷自宅での保存時は、空気に触れないような密閉容器で乾燥対策を。空きペットボトルを容器として利用し、冷蔵庫の野菜室や冷暗所に置くのがベスト。
❸新米を炊くときは水を少な目に、とよく言われるが、通常の水加減でOK。水が触れた瞬間から一気に吸水するので、特に始めの水は浄水を使うなど、良質なものを選びたい。
❹お米を研ぐときは、金属製のザルだと臭いが移ったりお米が傷ついたりするので、プラスチック製に。水が透明になるまで研ぐ必要はなく、2~3回で充分。研いでいる間もお米は水を吸うので、糠の匂いがつかないように手早く済ませることがポイント。
❺炊飯器の保温機能だと風味が落ちるので、炊き上がったら熱いままラップで包み、粗熱をとってから冷凍庫へ。
美味しさ倍増⁉
土鍋ご飯にトライ
土鍋でご飯を炊くのは難しいと思われがちだが、やってみると短時間で炊ける上、粒感が際立つ炊きあがりに。
新米でぜひ挑戦してみて。
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ザルにお米を入れて一度水につけたら、すぐ水を切る。溶けだした糠まで一緒に吸い、糠臭くなるのを防ぐため
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研ぐときは米粒を傷つけないように、指を熊手のようにして軽く優しくかき混ぜる。2~3回ほど水で流して繰り返す
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氷をいくつか入れて火にかける。低温状態から一気に温度を上げることで、お米の甘味を引き出せる
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フツフツと沸騰したら、そのまま10~13分は蓋を取らずに加熱。フツフツの音がなくなったら火を止める
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20分間蒸らしてできあがり。蒸らし終わったらすぐ底からひっくり返すように混ぜ、蒸気を全体に行き渡らせる
- POINT
- ●1合につき200㏄の水を入れ、夏は30分、冬は1時間程度の浸水タイム。夏場は冷蔵庫に入れて浸水するのも◎ ●今回は内蓋つきの土鍋を使用。内蓋のない土鍋の場合は、濡れ布巾を使って蓋から蒸気が漏れるのを防ぐのがポイント!
結局、どのお米が美味しいの??
お米選びの豆知識
- 精米度合いを変えれば
味わいも変わる! - 精米方法によってお米の味・香り・栄養が変化する。お米屋さんでの精米は4~5段階もあり、白米に近いが胚芽が部分的に残った「七分づき」、玄米に近い「三分づき」等も。お米を食べるシーンや味の好みによって、精米方法を変えてみれば新しい発見があるかもしれない。
- ブレンド米にも
注目してみて - 複数の品種を混ぜたブレンド米=安価なお米、というイメージがあるかもしれないが、例えば固めの品種と粘りの強い品種を配合するなど、バランスが良くなるようにお米のプロがブレンドしたものは、別格だ。自分好みを探しにお米屋さんへ出かけてみては?
- 高価なお米=美味しい、
とは限らない! - お米は毎年、銘柄ごとに味・香り・粘り等の指標で評価され、食味ランキングがつく。ランクの高いお米が美味しいのはもちろんだが、例えばもっちり系が好きなら「ミルキークイーン」、あっさり系が好きなら「ななつぼし(北海道)」等、自分の好みで選んでみれば、お気に入りが見つかるかも。
- 監修
- FUKU CAFE
☎ 0942-81-1444
[所] 佐賀県鳥栖市江島町3066
[営] 11:30~14:30 15:00~18:00
[休] 無
[P] 有
久留米のお米3選
久留米産の銘柄は、毎年11月から新米の販売がスタートする。
久留米の豊かな土壌と水で育まれた新米を、今年はぜひ味わってみよう。
特別価格で購入でき、しかも久留米市内なら無料配達もしてくれる[パールライス]の「年間特約」がおすすめ。店頭では、好みに合わせた精米も可能!
- JAくるめ パールライスくるめ
- ☎ 0942-41-0881
[所] 久留米市御井町2176-1
[営] 9:00~17:00
[休] 土・日曜、祝日
[P] 有
ヨダレに注意!
筑後地域発!ご飯が何杯でもいけちゃう
ごはんのおとも6選
ふっくらツヤツヤの炊きたてご飯にお気に入りの“ごはんのおとも”をたっぷりと乗っければ何にも劣ることのない極上のごちそうに…!
今日だけは我慢しないで、心ゆくまで召し上がれ。
けいちゃんちの生ふりかけ 378円(100g)
自然の恵みの素朴な味わいを
丸ごと食べられる、本格ふりかけ
41年続く海鮮料理店[魚政]自慢の生ふりかけは、体にいい和素材ばかりで作った風味豊かな一品。ちりめんじゃこ、昆布、青菜、ゴマ、カリカリ梅が入って彩りも鮮やかで、何種類もの味と香り、歯ごたえが楽しく、どんどん食べ進んでしまう美味しさ。栄養価も高いので、大人だけでなく子どもにもおすすめ。
- 魚政
- ☎ 0942-38-4688
[所] 久留米市津福本町1719-9
[営] 11:30~22:30 [休] 月曜 [P] 有
こだわりの鮭明太 1,296円(300g)
口の中を焼き鮭と
明太子の旨味で満たす、という至福
ふんわり焼き上げた鮭と、プチプチ感のある明太子の何ともいえない旨味が堪能できる「さけ明太」。明太子の老舗メーカー[博多山匠]ならではの素材の良さはもちろん、あえて粗くほぐされた鮭の身は見た目にも手作り感があり、食べ応えも抜群。ご飯はもちろん、ゆでたパスタに絡めても絶品。
- 博多山匠
- ☎ 0942-36-8402
[所] 久留米市梅満町89-1
[営] 10:00~17:00※10/7〜9は16:00迄
[休] 日曜、祝日 [P] 有
筑水男児 420円(130g)
自然の恵みを凝縮した肉味噌には、
濃厚な旨味と甘味がたっぷり
うきは市自慢のフルーツや食材を取り揃えた直売所[にじの耳納の里]で名物の肉味噌「筑水男児」。ブランド豚「耳納いっーとん」のコクと野菜の甘味がご飯に絶妙にマッチ。久留米筑水高校、養豚農家、JAにじ、うきは市が連携して開発した、まさに地元の一品。唐辛子入りの「筑水おやじ」も要チェック。
- にじの耳納の里
- ☎ 0943-75-8111
[所] うきは市吉井町福益130-1 [営] 9:00~18:00
[休] 第2水曜、1/1~4※8月は無休 [P] 有
唐辛子昆布・生姜入り田舎もろみ 380円(225g)
甘辛のもろみの旨味と
ピリッと効かせた唐辛子がやみつき
味噌・ドレッシング・ラムネなど、体に優しい食品を製造する昭和6年創業の[江﨑食品]。「唐辛子田舎もろみ」は、秘伝のもろみに唐辛子、昆布、生姜を加えて手作業で仕込み、じっくり2日間寝かせたもの。トロリとなめらかな食感、素材が活きた濃厚な旨味と唐辛子の刺激がたまらない、都内の有名すし店でも愛される味。
- 江﨑食品有限会社
- ☎ 0943-22-2965
[所] 八女市豊福792 [営] 8:00~17:00
[休] 土日祝日 [P] 有
えのきのり佃煮 450円(120g)
柔らかな海苔の佃煮×
シャキシャキえのきのクセになる歯ごたえ
白さと細さが際立つ大木町のえのきと、有明海の生海苔を組み合わせたミネラルたっぷりの「えのきのり佃煮」。えのきをあえて一度冷凍することで旨味を増幅させており、奥深い味わいはまさにご飯にぴったり。海苔の豊かな香り、柔らかな口どけとえのきの歯ごたえもあり、何杯でもお替わりしてしまいそう。[道の駅おおき]にて販売中。
- 株式会社 共夢
- ☎ 090-1161-7457
[所] 三潴郡大木町上八院754-7
[営] 9:00~16:00 [休] 日曜 [P] 有
高菜&SOY MEAT ガパオ風 330円(100g)
アジア風アレンジの高菜漬け!
馴染み深いのに新鮮な味を楽しんで
高菜漬けの老舗で大正3年創業の[河野食品]より、タイ料理のガパオ(バジル炒め)風高菜炒めが登場。大豆ミートとオリーブオイルを使いヘルシーに仕上げており、今年の「全国漬物グランプリ」では金賞を受賞。目玉焼きとともにご飯に乗せれば手早くガパオライス風の一品ができ、時短料理にも便利。購入は[道の駅みやま]や[FUKU CAFE]へ。
- 河野食品
- ☎ 0944-63-2368
[所] みやま市瀬高町長田828 [営] 8:00~16:30
[休] 土日祝日※ほか不定休あり [P] 有