MONTHLY FEATURES 今月の特集

いちご愛がとまらない

いちご愛がとまらない

春の到来とともに旬を迎えたいちご、もう味わった?
燦燦と降り注ぐ太陽、豊かな自然の恵みを一身に受けた赤い実は食べれば自然と元気が沸いてくる、笑顔の源。
いちごの季節が終わってしまう前に、この時季だけの甘さを余すところなく食べ尽くそう。

日本はいちごLOVER大国!

11月ごろから出回り始め、3~4月に旬を迎えるいちご。農林水産省によると日本国内の生いちごの消費量は世界一なのだそうだ。さらに日本には300を超えるいちご品種があって、世界全体の品種の半分以上を占めているとか。いかに日本人がいちごに情熱を注いでいるかがお分かりいただけるだろう。
とはいえ、いちごが今のように甘く瑞々しくなったのは、ここ30年くらいのこと。幼少期の頃、いちごを専用のいちごスプーンで潰し、練乳や砂糖をかけて食べた経験がある人もいるだろう。昔のいちごは小粒で酸味が強かったが、長年にわたる弛まぬ品種改良によって、大きく柔らかく、格段に甘く美味しくなった。海外の人が日本のいちごを食べるとその甘さに驚くというから、味から見ても日本のいちごは世界一といえるのかもしれない。

いちごと久留米の深~い関係

久留米市は、福岡県の中でも1、2を争ういちご生産量を誇るが、このことはあまり知られていない。うきは市、八女市といった近隣を含め、筑後一帯が新鮮ないちごが豊富に採れるエリアだ。
これだけではない。実は、国内で流通するいちごの主要品種の多くが、久留米で生まれているということをご存知だろうか。久留米大学御井キャンパスの隣にある[農研機構九州沖縄農業研究センター]の久留米拠点では、戦後間もない時代から園芸研究が始まり、続いていちご育種もスタート。以来、時代を先導する品種が続々と育成されてきた。日本のいちご栽培技術の向上や、新品種の開発をリードする存在なのだ。
ここで交配された品種は、現在市場に出回っている主要な品種の多くに、交配親として利用されている。例えばあまおうは、「久留米53号」と「92‐46」という2種の交配だが、92‐46も「久留米49号」と「さちのか」を掛け合わせたもの。同様におなじみの「さがほのか」や「恋みのり」、「いちごさん」など、ここ数年だけでも10種以上の人気品種が、久留米拠点に起源をもつ交配親から誕生している。このことを考えると、いちごはなんと久留米と関わりの深い野菜なのだろう(そう、間違いやすいがいちごは野菜だ)。

個性豊かないちごを味わい尽くそう

平成15年「博多あまおう」が鮮烈なデビューを飾ると、販売開始直後から全国的に人気を博し、高値で取引されたことも話題に。これによりブランドいちご業界は一気に火が付いた。今では毎年のように個性豊かな新品種がお目見えし、進化した美味しさで私たちを魅了し続けている。生産者や品種改良の研究者たちの情熱が実った赤い結晶である、いちご。旬を見逃すことなく、ありがたく美味しく、いただきたい。

ICHIGO File 筑後エリアで食べられる
いちご品種たち
File01あまおう
人気品種「とよのか」の色が薄いという弱点を補うべく作られた、福岡のブランドいちご。「あかい、まるい、おおきい、うまい」という名のルーツは有名。
File02さがほのか
平成13年に販売が開始された、佐賀で多く栽培されている品種。美しい円錐形、ややしっかりした食感、酸味が穏やかで甘味が強いのが特徴。
File03恋みのり
甘さの奥に感じるほのかな酸味、固めで食べ応えがある農研機構の品種。いちごを通して想いが叶うように、と名付けられて令和元年に誕生した。
File04かおり野
その名の通りの上品な香りと、酸味が少なく爽やかな甘味が強いことで人気の品種。いちご農家を悩ませてきた「炭疽病」に強く、大きく育つことも魅力。
File05淡雪
白いちごの1つで、桜のような淡いピンクが特徴。しっかり甘味があり、酸味とのバランスが良い。大きく固めの実は、お菓子づくりにもぴったり。

ICHIGO 1

まだ足りない、とは言わせない
高く積み重なった16粒に満たされる甘い幸せ

オニモリ博多あまおうタワータルト
2,200円(前日迄に要予約/1日10台限定)

イートインのみ

ホロホロ食感のタルトにふんわり滑らかなクリーム、季節のフルーツを使ったタルトが名物の[NOYU]でいちご好きたちを魅了しているのは、その名も「オニモリ博多あまおうタワータルト」。ココのタルトはもともとフルーツがたっぷり使われていたが、もっと「あまおう」をたくさん食べたい、といういちご好きの熱烈な声を受けてタルトが高層化。ついには7段の見事なタワーになった。
粒の形が整っている特大からSサイズまでの最高品質のあまおうを揃え、まずタワーの芯として縦に7粒重ねる。周りにスライスした9粒分を敷き詰めて、美しい円錐形に。その高さ、驚きの約25 cm! 時間が経っても倒れないしっかりした作りには、店主の技術と工夫が隠されている。
いちご達を繋げているのはふんわり滑らかな自家製ムースクリームで、上から食べ進めると味が変化していくのが楽しい。ピスタチオ、チョコ、パッションフルーツ、マスカルポーネ。いちごとムースの相性を確かめながら、最下層のバターが香るタルトまで到達すれば、今シーズンのいちごをしっかり堪能した満足感が得られること間違いなしだ。数人でシェアして食べるのもいいけれど、せっかくならば独り占めしてしまおう。旬のあまおうを食べ尽くす幸福感を、お腹いっぱい堪能して欲しい。

NOYU LALIBERTE & TARTE
☎ 0946-42-3330 [所]朝倉郡筑前町畑嶋477-2 [営]10:30~18:00 [休]水曜、第1・3火曜 [P]有

ICHIGO 2

カスタードデニッシュで着飾った可憐な珠玉のいちご
品種ごとの豊かな個性を感じて

苺の練乳デニッシュ
チーズケーキと苺のデニッシュ
よもぎ風味の苺大福デニッシュ
各450円
苺とピスタチオのデニッシュ 550円
白苺・淡雪の大福デニッシュ 700円

イートイン・テイクアウトOK

清らかな水を好むカワセミを屋号に冠した、デニッシュ専門店[kawasemi danish]。店内で焼き上げるサクサクのデニッシュ生地に自家製のカスタードクリーム、そして新鮮なフルーツ。シンプルながら、これがうきはのフルーツの魅力を広く伝えたいというこの店のスタイルだ。
昨年9月のオープン以来、ぶどうやイチジク・柿といったフルーツを扱ってきたが、今はまさにいちごデニッシュが花盛り。地元生産者から直接仕入れる旬のいちごは時季によって品種が様々で、味わいや香り、色、食感がそれぞれ違う。だから、デニッシュに使うカスタードクリームも品種ごとの美味しさを引き出せるようアレンジを効かせた。
例えば、甘味と酸味のバランスが良い「さちのか」はチーズケーキカスタードと組み合わせ、赤ワインゼリーを加えて芳醇な大人のデニッシュに。糖度が高く甘味が上品な「さがほのか」には、よもぎカスタードと柔らかい求肥で和の要素を取り入れて。瑞々しいいちごの美味しさを主役に、多種多様なエッセンスをちりばめ1つのスイーツとして仕上げた、いちごデニッシュ。そこに、いちごへの情熱がたっぷり詰まっていることは言うまでもない。いちごの入荷状況によってデニッシュの内容が変わるので、何度訪れても新しい美味しさに出会えそうだ。

kawasemi danish
☎ 080-3183-7687 [所]うきは市吉井町1340 [営]10:00~18:00 [休]水・木曜※祝日の場合は営業 [P]近くに無料Pあり

ICHIGO 3

完熟あまおうの魅力を凝縮したご褒美アイス

あまおうアイスクリーム 594円

通販・テイクアウトOK

昭和24年創業の[古蓮]が、久留米のあまおう専門[いちごファームKirara]とのコラボで作った、見た目も華やかないちごアイス。中央に大きな完熟の「あまおう」1粒が鎮座し、それを取り巻くのが濃厚ないちごソース、爽やかな甘さのバニラアイス。赤く輝くあまおうの甘さと、創業以来、無添加・手作り・上質素材を貫いてきた老舗らしい技が、ここに凝縮している。ギフトとしても喜ばれるが、自分のご褒美にもしたくなる一品だ。

古蓮
☎ 0120-32-4278 [所]久留米市西町1173-1 [営]9:00~17:00 [休]土日祝日 [P]有

ICHIGO 4

可愛い見た目と裏腹な濃厚な甘味果実感にうっとり

季節の生クリーム缶パフェ 680円
季節のチョコ生クリーム缶パフェ 730円

冷凍/テイクアウトのみ

※購入時は保冷バッグやエコバッグを持参

いちごの断面が見えていかにも美味しそうな缶パフェ。上部のプルトップを開けると、中はしっとりしたジェノワーズ(スポンジ生地)とチョコチップやフランボワーズソースさらにカットされたいちごがたっぷりと入っていて、食べ応え充分。生クリームとチョコ生クリームの2種があり、どちらも自販機で24時間いつでも買えるから便利。冷凍で保存がきくので、いちごが恋しくなった時に食べるのはもちろん、手土産にしても◎。

Alterego Cuisine 自動販売機
☎ 0942-65-8647 [所]久留米市六ツ門町22-1(洋風酒場アルベキーナ横) [営]24H [休]不定 [P]無

ICHIGO 5

和洋ミックスでうまれる新鮮な美味しさに、目からウロコ!

あまおうのフルーツ団子 302円
あまおうとずんだ餡のフルーツ団子 302円

テイクアウトのみ

モチモチのお団子に、洋風アレンジしたオリジナルのあんことふんわり軽いホイップクリーム、そこに新鮮な「あまおう」をトッピング。和と洋といちごが一体となった爽やかな味は、クセになる美味しさ! 「あまおうとずんだ餡のフルーツ団子」は、東北名物のずんだ餡が絶妙な塩気をプラスしていて、甘じょっぱさが後を引く。八女市[ココチ農園]のあまおうを使用した意外な組み合わせの新感覚フルーツ団子を、ぜひお試しあれ。

フルーツサンド&スゥイーツ PACCO SWEETS
☎ 070-7405-8511 [所]久留米市小頭町143 大屋ビル1F [営]11:00~18:00 [休]木曜、第3日曜 [P]有

ICHIGO 6

いちごサンドイメージを覆す贅沢で華やかな絶品

あまおうのスペシャルサンド 820円

テイクアウトのみ

朝倉のぶどう農家が営む小さなカフェでは、生産者から直接仕入れた鮮度抜群のフルーツを使ったスイーツやドリンクが評判。中でも人気が高いのが、いちごの時季らしい贅沢なサンドイッチ。地元産の大粒の「あまおう」を大胆に3粒、さらに側面にもスライスしたあまおうが! 甘さ控えめなのにコクのある生クリームがよく合い、一口で幸福感に包まれるよう。分厚くボリュームが大きいので、お皿に盛りつけてナイフとフォークで優雅に平らげよう。

ひよし農園 Café Sol
☎ 090-1878-0035 [所]朝倉市把木林田163-1 [営]11:00~17:00※なくなり次第閉店 [休]不定 [P]有

ICHIGO 7

穏やかなひとときに頂きたいいちごのためティラミス

あまおう苺のティラミス 464円

イートイン・テイクアウトOK

耳納山の麓に佇む、木の道具と喫茶の[jingoro]で頂けるティラミスは、いちごの季節だけの特別な味わい。「あまおう」の甘味を包み込むような滑らかなマスカルポーネにはカルダモン・白コショウなどのスパイスやハーブを効かせてあり、その下には香り高い紅茶を染み込ませたビスケットが。あまおうをじっくりと堪能するために作られた、優しくも甘美な大人の味。お気に入りの紅茶を用意して、穏やかな時間の中で味わいたい。

jingoro
☎ 0943-73-7773 [所]うきは市吉井町鷹取1557-3 [営]11:00~17:00 [休]水~土曜 [P]有

ICHIGO 8

採れたてフレッシュな味が蜂蜜にそのまま溶け込んで

苺のはちみつ漬け 各1,500円

テイクアウトのみ

旬を迎えたいちごを、八女で採取された栄養豊富な蜂蜜で漬け込んだ一品。人工甘味料は不使用なのに、蜂蜜の自然な甘さといちごの爽やかな味わいがそのままダイレクトに感じられる。炭酸で割っていちごスカッシュにしたり、牛乳に加えていちごラッシーにしたりと、贅沢ないちごメニューを作ってみて。甘味が強い「あまおう」、ほのかな酸味の「さがほのか」、芳しい「かおりの」と色も味も違う3種があり、違いを味わってみるのも楽しい。

馬渡養蜂場 久留米店
☎ 0942-48-3502 [所]久留米市国分町1150-3 [営]10:00~17:00※土・日曜は11:00~ [休]不定 [P]有