MONTHLY FEATURES 今月の特集

カレーはあいがけで!

カレーはあいがけで!

まずはカレーを1種ずつ食べてみる。
次にカレー同士が混ざった部分を丁寧に味わう。
最後は色とりどりの副菜も混ぜこぜにして何層にも重なり合う複雑な香りと美味しさをパクリ。
沢山の栄養と味覚の全てを盛り込んだあいがけカレーは食べながら心の赴くままに混ぜて、いわば食べる人が完成させる魅惑の料理。
一皿食べ終わる頃の達成感、あなたもクセになるはず。

カナデヤンカリー
KANADE YAN CURRY

スッと胃袋に入っていく
オリジナルスパイスカレー

3年前、旅先の大阪で食べたスパイスカレーの美味しさに衝撃を受け、独学でスパイスを学び始めたという、バー[奏]店主・内堀さんの妻・美智子さん。それから試作に没頭する美智子さんのカレーを「嫁カレー」としてご主人がSNSに投稿したところ、常連の中で話題に。翌年、バーが開店できない日々が続いたときにテイクアウトで販売した嫁カレーは好評を博し、リクエストを受けて間借りでオープンしたのが[KANADE YAN CURRY]だ。
美智子さんの作るカレーは、和食とスパイスカレーの中間のような味。前職で和食料理店に勤めていた経歴もあり、スパイスを強く効かせるというより誰にでも馴染みやすい和の要素を加えた味だ。「最後にカレーの味を引き締めてくれるのが不思議と醤油だったりするんですよね」と美智子さん。馴染みやすい味こそが、家に帰って食べるような「嫁カレー」の良さかもしれない。

〈 あいがけ トリプル 1,400円 〉

今週の嫁のきまぐれカレー(なんこつ入り粗挽きキーマカレー)

和の風味が感じられる甘めの味で、コリコリの豚軟骨が存在感アリ。常連からのリクエストが多い

BCGカレー

バター・チキン・ガーリックのパンチが効いた味。久留米No.1カレー選手権で優勝したという逸品

スパイスチキンカレー

鶏ガラから丁寧にとった出汁がベース。程よくスパイシーな味で、大き目チキンが美味しい

  • 半熟煮卵
  • 自家製ピクルス
  • 素揚げ野菜たち
  • にんじんのクミンソテー
  • 豆とサバのスパイスサラダ
  • サバの香りがいい感じ!

0942-37-7226
[所]久留米市螢川町2-9 クレインボイスビル2F
[営]11:30~14:30
[休]月曜
[P]近くに有料Pあり

店主内堀 敦さん・
美智子さん夫妻

ワイワイカレー
waiwai curry

食べて元気になれる秘密は
スパイス×発酵のパワー

東町にあるバーで間借り営業を始めてから3年ほど。旬の食材を使った2種のカレーを週替わりで提供している。 開業時は和風出汁をベースにしつつ、いわゆる〝現地系〟スパイスカレーを出していたが、そこへやってきたのがコロナ禍。免疫力を上げるためには、と思いを巡らせ、辿り着いたのが発酵食品を取り入れることだった。それから発酵について学び、自家製の麦麹や豆麹、玄米麹などをスパイスと組み合わせるように。発酵食品ならではのまろやかな深みのある味が効いた、日本人らしいスパイスカレーができた。 「毎日のようにいらっしゃる常連さんの栄養バランスまで気になるようになってしまって」と笑う、店主の神前さん。食べた人が元気でいられるように、という優しさがたっぷり詰まった一皿。あいがけにすればスパイスと発酵食品のパワーを丸ごと頂けて、体も心も満たされそうだ。

〈 あいがけカレー 1,100円 〉
※カレーは週替わり

塩麹漬けチキンのスパイスカレー

柔らかくジューシーなチキンの旨味がしっかり味わえるカレー。ピリッと少し辛味があって、爽やか!

青唐辛子入りひしおのあいびきキーマカレー

豆麹と麦麹を醤油に漬けて発酵させた自家製の醤を使用。どことなく和の香り漂うコクのある味

ベビーほたてのピックル
※オプション
  • 紫キャベツと玄米麹のラぺ
  • 青うめの塩はちみつ漬け
  • 甘酸っぱくて良いアクセント!

  • 夏野菜のねばねばサラダチャートマサラ和え
ベビーほたてのピックル
※オプション
0942-38-0775
[所]久留米市東町38-31 ひかりビル2F(Bar borracho)
[営]12:00~15:00
[休]不定※インスタで要確認
[P]近くに有料Pあり

店主神前 絵里奈さん

ミカレー!!!

スパイスハーブの専門家が
つくる、体整うカレー

[久留米アロマ&ハーブスクール]を主宰する大庭さんは、インド伝統医学のアーユルヴェーダアドバイザーでもある。スパイスや薬膳についての学びを深めるうちに、スパイスとハーブの専門家としてはスパイスカレーも作れた方がいいな、と思い立ってあまり気負わず開業したというが、創業4年目の今では評判のカレー屋となっている。
スパイスカレーは週替わりで、あいがけにすることを想定した3種。メニューを見ると、使われているスパイスやハーブの詳細、加えて食べた時の作用について説明書きがある。例えば桂皮(シナモン)は消化にいい、など。「3種のカレーは食材もスパイスも重複しないから、味も作用も全然違います。どれか一つでもいいけど、混ぜて食べれば味の調和がとれるし、いろんな栄養素を全部取り込めるでしょ」。美味しい上に体を整えられるカレーの素晴らしさを、ぜひ味わってみて欲しい。

〈 スペシャルプレート 1,800円 〉
※カレーは週替わり

緑豆と枝豆のCURRY

小粒の緑豆と枝豆がたっぷり入ったシンプルなカレー。緑豆は薬膳では解毒作用があるという

薬味たっぷりキーマ

レモンバームを効かせたスパイシーな挽肉に、大葉、パクチー、三つ葉をどっさり。爽やかな後味

チキンCURRY

柔らかチキンをクローブ、シナモン、カルダモンなど多めのスパイスで仕上げた定番。消化にGOOD

ラッサム
  • ひよこ豆のサラダとタンドリーチキン
  • スパイスキャロット
  • 紫キャベツのアチャール
  • サモサ
  • 食べ応えがあってウレシイ!

ラッサム
0942-65-5022
[所]久留米市日吉町6-17 西田産業第7ビル4F
[営]12:00~18:00
[休]木~日曜
[P]近くに有料Pあり

店主大庭 美香さん(中央)

フレーバー
宴場 FLAVOR

食材を大切にする基本
カレーという薬膳融合

腕利きのふぐ職人でもある店主・原口さんは職業柄ずっとスパイスとは無縁だったが、同系列で運営している保育園の園長がスパイスソムリエでもあることがきっかけで、スパイスの奥深さに触れる機会があったのだそう。本場インドではスパイスは薬膳であり、その日の家族の体調に合わせたカレーが活力の源。薬に頼らず、毎日の健康をスパイスで少しずつメンテしていく――避けてきたスパイスの世界にハマり、猛勉強したという。
さらに、原口さんが作るスパイスカレーには、和の職人らしい食材へのこだわりがぎっしり。調味料や野菜1つをとっても産地や品種を吟味した、申し分のない食材を使う。「せっかくの外食だからこそ、体と心にいいものをめいっぱい食べて帰って欲しい」という思いがそこにある。多様多彩な食材を盛り込んだあいがけカレーは、体にいい栄養を丸ごと頂ける一皿だ。

〈 夏季限定カレー ラムチョップつき 1,700円※赤牛のグリルにした場合は1,500円
ココミ読者には10月末まで延長中!

シュリンプマンゴーイエローカレー

海老の旨味を、マンゴーとココナッツミルクのまろやかな甘味が包み込む。和風出汁が効いた優しい味

牛スジ赤パプリカレッドカレー

低温で焼いた牛すじと久留米産パプリカ、香味野菜で香り良く仕上げた。キリッとした辛味が爽快

  • ラムチョップ
  • 臭みがなくて絶品!リピート率9割

鹿児島県産らっきょの
自家製ピクルス
クミンを効かせた
大和芋のとろろ
ゴーヤと玉ねぎの
ピーナッツ練りごま和え
切り干し大根の
スパイスナムル
焼き茄子マリネ
0942-34-1805
[所]久留米市東町25-25 マルシェビル3F
[営]11:00~15:00(OS14:30) 18:00~22:00(OS21:00)※時間外の利用は応相談
[休]水曜
[P]近くに有料Pあり

店主原口 雅典さん

ウメノ商店

副菜も一緒に混ぜて
自分で作る感覚を楽しんで

八女にある[ウメノ商店]は、どこかノスタルジックな佇まいで地域の人に愛される食堂。元々は粉もののメニューを中心にしていたが、ある時、二日酔いがスパイスカレーでケロッと治った経験からスパイスカレーに目覚めたそうだ。スパイスの効果・効能を学びながら各地の店を食べ歩き、好みの味と香りを追求。お店のメニューにカレーを加えたのが7年前で、店主・梅野さんはまだまだ改良中だというが、〝激旨カレーが食べられる店〟として知られるようになった。
3つのカレーは辛さと味わいがそれぞれ違う。まずは一つずつ味わって、辛いのと甘いのを混ぜてみたり、混ぜる配合を変えてみたりして食べて欲しいという。「あいがけカレーって自分好みに作れるところがいいんですよ。副菜も一緒に混ぜて味変を楽しんで」。確かに食べる人によって楽しみ方は違うのかもしれない。それもまた、あいがけカレーの魅力だ。

東京町ひがしきょうまちスパイシーカリー 1,000円 〉

豆のスパイシーカリー

緑豆とたっぷりのスパイスを使った、王道のスパイスカレー。これだけで食べると、かなり辛く感じる

ココナッツグリーンカリー

作り方はグリーンカレーだが、青唐辛子は使っていない優しいカレー。ココナッツのコクが効いている

チキンキーマカリー

鶏挽肉のカレーで、程よい辛味がある。マスタードの粒々が入っていて、プチプチ食感がたまらない

自家製辛味スパイス
  • じゃがいもと紫キャベツのサラダ
  • スパイシーチキン
自家製辛味スパイス
0943-22-8890
[所]八女市本町173
[営]11:30〜14:30 17:30~21:30
[休]火曜
[P]

店主梅野 達典さん