MONTHLY FEATURES 今月の特集
このうどん、食べなきゃ損!
うどん屋さんのメニューにいろいろと載っていても
結局いつも「ごぼう天うどん!」と言ってしまっている、そこのあなた。
変わりうどんの美味しさを知らないままではもったいないぞ。
うどん好きならば絶対食べておくべきうどんを一挙紹介。
名店の店主や常連たちが愛してやまない珠玉の一杯、ぜひ召し上がれ。
久留米 立花うどん
肉の甘さとシャキシャキ食感
意外なほど新鮮な旨さ
久留米市民におなじみ、創業から40年以上を経た老舗[立花うどん]。自家製でしっかり熟成された中太麺はふわっとした舌触り、もちもちした歯ごたえ、1年以上寝かせた利尻産昆布や削り節からとった黄金色の澄んだ出汁。これらは、すべて〝毎日でも食べられるほど飽きの来ない味〟を作るためのこだわりだ。
ここでも不動の人気ナンバーワンといえば「肉ごぼ天うどん」だが、豊富なトッピングも飽きずに食べられる魅力の1つだろう。いろいろと試した人も多いのでは? その中でも意外な美味しさで驚くのが「肉もやしうどん」。もやしはうどんというよりラーメンの具という印象が強い野菜ながら、それに甘辛く味付けた肉を加えたら、不思議と箸が止まらない美味しさ。うどんにもやしってこんなに旨かったのか、と唸ってしまった。肉のコクが溶けだした出汁は程よく甘くなり、思わず飲み干してしまう。
トッピングの組み合わせによって、また新たな美味しさと出会える。たくさんのトッピングから自分なりの最強コンビを探すのもいいかもしれない。
キムチうどん 539円
程よい辛さと旨味の[焼肉の大昌園]のキムチをどっさりと入れた、長年愛されるメニュー。これに追加で、さらに肉や温玉を加える常連もいるらしい。
自家製明太子
100g 540円、150g 810円
昆布の旨味とほのかな柚子の香り、プチプチした粒感がなんともいえない逸品。店内では切子が販売されているほか、贈答品もあるので問い合わせを。
キムチうどん 539円
程よい辛さと旨味の[焼肉の大昌園]のキムチをどっさりと入れた、長年愛されるメニュー。これに追加で、さらに肉や温玉を加える常連もいるらしい。
自家製明太子
100g 540円、150g 810円
昆布の旨味とほのかな柚子の香り、プチプチした粒感がなんともいえない逸品。店内では切子が販売されているほか、贈答品もあるので問い合わせを。
☎ 0942-44-3939 [所]久留米市東合川5-6-1 [営]9:30~21:00(OS20:30) [休]火曜※祝日の場合は翌水曜、第3水曜 [P]有
麺通様御用達 たけ屋
素材と仕上がりを極める
誠実な姿勢が生んだ味
初代の店主が脱サラしてうどん店で修行をした後、数席のみの小さな店として船出をした[たけ屋]。今から42年ほど前のことだ。当時、うどんと蕎麦の両方を店に出していたものの、蕎麦の味になかなか納得ができなかったため、長年うどんをメインにして店を切り盛りしてきたそうだ。
平成元年に店舗を移し、今は息子さんが二代目として引き継いでいる。毎日店内で熟成させているうどんは粘りとコシがある、喉越しのいい細めの麺。羅臼昆布を贅沢に使った味わい深い出汁にもファンが多く、60席ある店内はいつも賑わっている。
初代店主が蕎麦の美味しさを突き詰めてきたおかげもあって、ここ数年で蕎麦も美味しい店として評判になったが、あくまでうどんと蕎麦の二刀流を貫く。そんな経緯があって[たけ屋]はうどんと蕎麦のメニューが入り混じっていて、どちらかにとらわれない、地域性にもこだわらないバリエーションがあるのが面白いところ。ちょっと新しい味に挑戦したいとき、試してみてはいかが。
味噌煮込みうどん 950円(3月末迄の冬季限定)
熊本産の味噌を3種ブレンドした煮込みうどん。カニ爪、鴨肉、山菜、椎茸など具の多さにホクホク。味噌の味が優しくクリーミーで、温まる一杯。
☎ 0942-33-3408 [所]久留米市津福本町1309-1 [営]11:00~17:00 [休]水曜 [P]有
なかしま家
細麺にしたから広がった
うどんの可能性を堪能して
北九州にある讃岐うどんの店で修行したという田主丸のうどん店[なかしま家]の店主。柔らかい筑後うどんを食べ慣れている久留米の人たちが食べやすいように、と作った細麺が好評で、地域で親しまれている。さらに、この細麺はパスタソースのような味とは相性が良いはず、と閃いて、様々な変わりうどんにチャレンジしてきた。そんな中でも「カルボナーラうどん」はもともと賄いメニューだったもので、常連に今でも根強い人気がある。濃厚な洋風ソースでも分かるうどん自体の美味しさからは、[なかしま家]の魅力が伝わってきた。
から&アジ定食 780円(ミニうどん付)
カラッと揚がった人気の唐揚げ、アジフライが付いていて、みそ汁でなくミニうどんなのがうれしい欲張り定食。ガッツリ食べたいときにどうぞ。
☎ 0943-72-0605 [所]久留米市田主丸町以真恵289-2 [営]11:00~22:00 [休]水曜、第2火曜 [P]有
大陽軒
豚骨のようで全く別物!
その名も元祖トンコツアルカリうどん
筑前町の[大陽軒]は、本来はラーメン屋だが、美味しいうどんが食べられると評判の店。豚骨は徹底的に血抜きをすることで臭みを消し、化学調味料を一切使わず、美味しい地下水と野菜、塩麹などで作った完全オリジナルのスープがここの自慢で、旨味は濃いのにスッキリした後味がうどんによく合う味に仕上がっている。裏メニューとしてうどん麺を提供していたところ、希望する常連客が増え、ココだけの「トンコツアルカリうどん」としてメニューになったそう。絶品チャーシューをふんだんに使ったビジュアルは一見ラーメンのようだが、一度食べてみたらきっとハマること間違いなし。
ホルモン 600円
丁寧に下処理を施したモツを秘伝のタレで味付けた、甘めで旨味濃厚な一品。ご飯に乗せて頂くと箸が止まらないのでご注意を。
☎ 0946-21-1876 [所]朝倉郡筑前町原地蔵1847-3 [営]10:30~14:30 [休]不定 [P]有
手打ちそば うどん めん棒
どこの真似でもない、独創的で
無性にまた食べたくなる味
若い頃からいろいろなジャンルの外食に携わってきた店主が、これこそが素晴らしい食べ物だと辿り着いたのが、うどんなのだそうだ。小麦粉と塩だけで作ることができて、添加物を使わなくても美味しく、子どもから大人まで、体が弱っている時でも食べられるうどん。余計なものはそぎ落とした素材本来の良さで勝負する[めん棒]のうどんは、良質な小麦の旨さが感じられるコシのある手打ちの細麺。
王道の「ごぼう天うどん」もあるにはあるが、文化街という立地のせいか、食にうるさい大人たちが好む具材が絶妙にチョイスされた、ひとクセある独創的なうどんが多い。呑んだ後の〆としてもしっかり満足させてくれる味だ。
しかも、「肉高菜うどん」の高菜油炒め、「ネギトロうどん」のネギ天一つをとっても、厳選素材で丁寧に、真摯に作られている。それもこれも、口に入れるものだから良い素材であるべきである、との思いがあってこそ。文化街の呑兵衛たちや近隣で働く人たちの胃袋を掴んで離さない、というのもうなずける。
ネギトロうどん 935円
揚げたての白ネギの天ぷらと刻んだ小ネギが入った、ネギ尽くしうどん。小ネギの下にとろろが潜んでいて、ツルンと喉越しの良い出汁がヤミツキに。
☎ 0942-38-0788 [所]久留米市日吉町15-6 [営]19:00~翌2:00 [休]日曜 [P]近くに有料Pあり
うどん茶房 麺楽
多彩な目新しいメニューは
実は記憶の中の懐かしい味がベース
珍しいメニューがいくつもある筑後の名店[麺楽]。珍しい「しいたけうどん」が生まれたきっかけを尋ねたものの、幼い頃から普通に食べてきたから、との答えが。八女の山で採れた椎茸は、この辺りではうどんの具として定番だったようだ。
店主はもともとイチゴ農家を営んできた人で、畑違いながら縁があって22年前に[麺楽]を引き継いだ。口当たりがスルッとした滑らかなモチモチ麺に、うるめいわしをじっくり煮出した旨味の強い出汁。農家だった時のように誠実に食べ物を作ることに変わりはない、という店主のうどん、ぜひお試しあれ。
カツうどん 830円
ここの名物「カツ丼」のカツとじをうどんに乗せてあり、まるでカツ丼とうどんのセットを食べた感覚になる一品。「りんどうポーク」の柔らかいカツが美味!
☎ 0942-53-0126 [所]筑後市長浜135-1 [営]11:00~19:30※月曜は17:00迄 [休]火曜 [P]有
三井うどん店
惚れ込んだ麺のために作った
至高の出汁は必食
平成29年創業の[三井うどん店]の店主は、大阪で電気工事関係の仕事をしてきた人。四国や関西のうどん店を食べ歩いていて、朝倉にある[篠原製麺所]の麺の旨さと運命的な出会いをしてから一念発起。開業から1年は味が安定せず苦労したというが、今ではお昼を過ぎる時間帯には麺が完売するのが日常だ。
モチモチ感と粘りゴシのある太麺に合わせるのは、鯖・かつお・うるめいわしと昆布でとった店主渾身の黄金色の澄んだ出汁。塩は一切使われていないという上品な美味しさで、この地域の舌の肥えたうどん好きたちを魅了し続けている。
まぜうどん 420円
三重県の伊勢でソウルフードとして親しまれる汁なしうどんで、醤油ベースの甘めのタレは筑後のモチモチしたやわ麺にもぴったり。ぜひお試しを。
☎ 090-2730-0176 [所]小郡市井上1027-5 [営]11:00~15:00※なくなり次第閉店 [休]不定 [P]有