MONTHLY FEATURES 今月の特集
路地裏の名店へようこそ!久留米の路地裏
久留米の路地裏は人もお店も個性派揃い!
素敵な出会いを見つけに路地裏へ。
久留米には様々な表情を持った路地裏があり、タイムスリップしたかのような時代の面影が残る。普段目にすることのない風景や建物を前にすると真新しさすら感じることも。何より個性溢れる名店は路地裏にあり!
ノスタルジー溢れる路地裏文化
焼き鳥や餃子、ラーメンなどに代表されるB級グルメの聖地、久留米。食の美味しさはいわずもがなだが、付加価値として食を楽しむ”箱“にも注目が集まっている。それが今、密かなブームになりつつある路地裏。街の開発や目まぐるしく変化する風景をよそ目に、まるでそこだけ時間が止まったかのような時代を感じさせる空間が今も色濃く残る場所。人目を避けるようにひっそりと佇み、まるでよそ者を遠ざけるような異世界が不思議な期待感を抱かせてくれる。そんな怪しげな魅力が路地裏にはある。
新旧の名店が揃う久留米の路地裏
久留米はそんな路地裏文化が根付いている街のひとつだろう。戦後の闇市から続く「日吉村」や、久留米のラーメン文化の拠点「久留米ラーメン横丁」、あけぼの商店街にある「くれない小路」など個性豊かな愛すべき路地裏を楽しむことができる。そんな路地裏にこそ名店あり! 流行り廃りとは無縁の古き名店から、あえて路地裏に出店したニューカマーまで、新たな路地裏文化の魅力が作られつつある。どんなお店があり、どんな出会いが待っているかワクワクしてしまう。一度ハマると抜け出せない、路地裏巡りに出かけてみては。
日吉村で堪能する昭和の世界
明治通り沿いを脇道にそれると何だか怪しげな建物が現れる。通称・日吉村と呼ばれる戦後の闇市から続く木造アーケードの「日吉市場」。焼き鳥店や小料理屋など古くから残る飲食店を中心に約10店舗が集まっている。天井を見上げればトタン屋根に、むき出しになった木の柱。その柱の上を猫が自由に歩き回っている。歴史を感じさせる看板や赤提灯、ひび割れた窓ガラスなど一歩足を踏み入れるとまるでタイムスリップしたかのような感覚を体験できる。現在も日吉村で生活する住人もいるという。昭和の雰囲気たっぷりの路地裏だ。
足を踏み入れるには勇気のいる場所かと思いきや、女子会にも人気のスペインバルまであり、レトロとモダンが実にいい具合に融合したスペースになっている。昭和風情を肴にグラスを傾けると、何とも心地良く、ついつい長居したくなる。
希少な馬肉を味わう”口福“を体験してみて
新鮮な馬肉を味わえる馬肉専門店として、県外からもお客が訪れる[つる屋]。今ではとても貴重だという馬刺しや生馬肉を使ったさくら鍋、希少部位のタンなど、ここに来れば馬肉の魅力を十二分に堪能できる。自分は頑固者だと語る店主・靍さんは馬肉一本でこの名店を作り上げた。軽快に馬肉をさばく姿からは職人気質が滲み出ている。日吉村の魅力を聞くと「日吉村に出店してから15年ですが、昔と全く変わっていないんですよ。この昭和の雰囲気が味わえるのは久留米でもここだけでしょ」。7月の豪雨の影響で店内まで雨漏りし改装を余儀なくされたというが「せっかくならこの日吉村の雰囲気を大事にしたいし残していきたい」と、大変な状況だったにもかかわらず日吉村に馴染むような外装を心がけるほど思い入れは強い。料理だけでなく場所も大切にする心配りに老舗の本懐を垣間見た気がする。
馬肉専門店 つる屋
- 電話
- 0942-39-6768
- 住所
- 久留米市日吉町26-23
- 営業時間
- 11:00~14:00
17:30~23:00(OS22:00)
- 休日
- 月曜
非日常の世界に現われる大人の隠れ家バル
”隠れ家のような“ではなく、本物の隠れ家を体現するスペインバル。居心地の良いオープンエアのデッキスペースやテラス席があり、照明など内装のこだわりも光る。日吉村の昭和の雰囲気に似つかわしくないオシャレな空間は異質だ。なぜこの地に出店したのか尋ねると「大通りを一本入るだけで時代ががらりと変わる。この雰囲気に惚れました(笑)」とオーナーの福田さん。
目の前でチェダーチーズをかけるローストビーフやセルフの飲み放題も好評で、女性の来店も増えているという。「久留米の人でも日吉村を知らない人も多いし、足を踏み入れるのをためらう人もいます。でも逆にそのドキドキ感を楽しんで欲しい」。お店をワクワクと感動が詰まった”大人のサーカス“のような空間にしたいと語る。日吉村という最高の非日常の舞台はうってつけだ。一度来店するときっと誰かに教えたくなるはず!
日吉村のワイン食堂 Pic
- 電話
- 0942-48-6226
- 住所
- 久留米市日吉町26-28
- 営業時間
- 17:00~24:00(OS23:30)
金・土曜は翌1:00迄(OS24:30)
- 休日
- 日曜
人情味溢れる路地裏からはいつも笑い声が絶えない。路地裏デビューにはおすすめのスポット。
熱々の餃子が焼ける音と、笑い声が響き渡る
久留米市民なら一度は通ったことがある餃子の名店[娘娘]。国産の豚肉にキャベツ、玉ねぎ、にんにく醤油で作るあんから、皮まで全て手作りにこだわる。熱々の餃子は、ニラとゴマをたっぷり入れた特製のタレで味わうのが[娘娘]流。味はもちろん店主のお母さんの人柄に惚れて訪れる常連客で賑わう。一見さんには敷居が高いかと思いきや「いつも知った顔じゃ飽きるやろ。お客さんの顔が違うのもいいんよ。話すのが楽しいけん」。
創業から61年。くれない小路の風景も随分変わったという。「昔は隣みたいに長屋だったけど、ほかは建て替えられたけんね。変わり過ぎるのも寂しいよね」。最近は体の疲れもあると言うが「辞められんよ。お客さんが求めてきてくれるからね。お客さんも寂しいやろうし」。何より私が一番寂しいと少しはにかんだ。今日も愛情いっぱいの餃子が焼け、笑い声がお店から溢れ出す。
娘娘
- 電話
- 0942-32-9359
- 住所
- 久留米市六ツ門町10-34
- 営業時間
- 14:00~23:00
- 休日
- 日曜
大人の遊び場「文化街」にあるのが、とんこつラーメン発祥の地にふさわしい「久留米ラーメン横丁」。
ラーメン横丁の一角を彩る新感覚のつけ麺に出会う
店を訪れると「もう開いてますか?」と、開店を心待ちにする女性客の姿があった。清潔感漂う店内の雰囲気もあり、開店から一年、今は女性のお一人様の姿も目立つ。「新ジャンルの海老つけ麺で勝負しています」。そう語るスタッフの樋口さん。オマール海老を使ったつけ麺は原価率が50%を超えるという。麺は淡路島産の風味豊かなデュラム小麦を使用。生パスタ麺というのも斬新だ。残ったスープはリゾットにして食べて欲しい。
激戦区のラーメン横丁では、他にはない強みも求められる。お客が自分で飲みきれる分だけグラスに注げるワイン(500円~)のサービスは[エスプリ]ならでは。「ラーメン横丁では、それぞれが特徴のあるラーメンを味わえるので、お店選びも楽しんで欲しいです」。つけ麺とワインのマリア―ジュという新しい感覚に酔いしれたい方はぜひ。
つけ麺バル エスプリ
- 電話
- 0942-38-3038
- 住所
- 久留米市日吉町15-6
- 営業時間
- 平日20:00〜翌3:00(OS翌2:00)
金・土曜は翌4:00迄(OS翌3:00)
- 休日
- 日曜