MONTHLY FEATURES 今月の特集

愛され定食

愛され定食

心にゆとりがなくなったり、なぜかイライラしたり…
どうも元気が出ないという時は、まず美味しいものでお腹を満たそう。
栄養とやさしさが詰まった定食なら、そっと心身を温めてくれるはず。
最終号となる今回、明日の元気をもらえる定食づくしでいってみよう。

一皿に店主のおもてなしが光る
客足の絶えない老舗の定食

三潴屋ステーキ定食  1,500円

老舗[三潴屋]は、聞けば創業は戦前で、90年近くの歴史がある。当初はうどん屋だったが戦後にライバル店が増えたため、三代目である現在の店主が東京の和・洋・中のレストランで修行をし、久留米に戻ってきてランチタイムに定食メニューを始めた。それから40年が過ぎたが、今でも昼どきは定食目当ての客で大忙しだ。名物の「白身フライ定食」や「日替わりサービスランチ」などが軒並み千円以内と手頃な価格帯の中、「ステーキ定食」は一番高価なメニューだが、それでも1人前がおよそ200gもあり、値段から想像するよりはるかに大きいステーキが食べられる。もう少し高価にしても良さそうだが、すべては「価格に見合った料理でお客さんを喜ばせたい」との思いからだそう。食べてみると、肉質は柔らかくてふっくらジューシー。ソースやドレッシングなども作り置きや既製品を一切使わず、一つひとつが手作りで、どれを食べても期待を裏切らない、どこか懐かしいような、安心感のある味。こんな定食で腹を満たせば、さあ、また午後からもがんばろうと元気がもらえるはずだ。

1.ステーキは醤油、みりん、ニンニクで味付けしてある。このコクがあるソースだけでもご飯がついつい進んでしまう
2.小鉢は、白菜と大根の自家製の浅漬け。シンプルなのにやみつきになる味
3.ご飯の美味しさにも定評あり。ツヤツヤで粒が立ち、粘りと甘味があって、何よりのご馳走だと思える味。熟年の技、ぜひご賞味あれ

マーボー豆腐(夜のみ) 600円

中国出身の客からも太鼓判を押されたという逸品。絹ごし豆腐がたっぷり入っていて、旨味と辛味がベストバランス。

三潴屋 ☎ 0942-32-2457 [所]久留米市六ツ門町2-55 
[営]11:00~13:30 17:00~22:00
※ランチは平日のみ、土曜は夜のみ営業 
[休]日曜、祝日 [P]近くに有料Pあり

無性に天ぷら食べたい!を満たす
コスパ抜群の天ぷら定食

みつやすみつやす定食  880円

国道3号線沿い、上津町の一画に今年7月にオープンした天ぷら専門店[みつやす]の一番人気メニューは、店の名が付いた「みつやす定食」。千円以下だというのに揚げたてのサクサク天ぷらが7点含まれていて、その1つひとつが美味しい! 大き目の海老はサクサクで中はプリッと、鶏モモも食べ応えのある大きさでとてもジューシーだし、キスはふっくらと肉厚だ。大人も子どもも大好きな半熟卵がほとんどの定食に含まれているほか、野菜天は季節によって変わるものもあるが、どれも一切れが大きくて素材の味をしっかり堪能できる。特製の天つゆには予め大根おろしがたっぷりと入っていて、揚げたての衣に染みた味わいは、至福そのもの。とり天や海鮮をメインにした定食があるだけでなく、同じ具材で天丼を選ぶこともできる。セルフコーナーでは辛子高菜、ひじきの炒め煮などご飯に合う惣菜2~3種まで振る舞われている。ここのオーナーが米穀店であるということもあり、ご飯はおかわり自由で、ご飯のお供も満載。気軽に入れて、価格が手頃だからこそ思う存分天ぷらを楽しめて、何度も通いたくなる専門店だ。

1.大人も子どもも大好きな半熟卵はプルプルなので、白身部分を破ったとたんに黄身が流れ出す。ぜひご飯の上に乗せてどうぞ
2.テーブルに岩塩とカレー塩も。プリプリの海老は岩塩も良く合う!
3.珍しい人参のかき揚げは、細切り人参をカリッと揚げてあって、甘味があって美味しい

贅沢天丼  1,480円

大きい穴子が横たわり、大きな海老2尾がドーンと存在感を放つ、ここで一番豪華な天丼。特に穴子はふっくら、絶品!

天ぷら みつやす ☎ 0942-27-7857 [所]久留米市上津町118 
[営]11:00~15:00 17:00~21:00
※土・日曜は昼休みなし 
[休]木曜 [P]有

難しく考えず、気軽に薬膳
本格食材も使ったホカホカ参鶏湯サムゲタン

kula参鶏湯定食  1,600円

薬膳とは、体質や体調などに合わせ、漢方の理論に基づいた食材を毎日の食事に取り入れること。難しそう、味にクセがありそう、と思うかもしれないが、カジュアルで気楽な薬膳を実践しているのが[kula]だ。特別な食材や漢方薬を使うことだけでなく、普段食べるものから意識するだけで、どんな食材でも薬膳料理になる、という考え方で、定食メニューのほかに中国茶や薬膳スイーツも取り入れている。ここでぜひ食べて欲しい「参鶏湯定食」は、体を温め、疲労回復・滋養強壮にぴったりのメニューで、これからの寒い時季に特におすすめ。本場・韓国では丸鶏を使う参鶏湯だが、ここでは手羽元を用いて、たくさんの野菜に松の実やクコの実、なつめ、高麗人参、生姜やニンニク、餅米などと共にゆっくり、じっくりと煮る。食材の甘味と栄養が溶け出したスープはトロみがあり、薬膳スープではあるがクセがなくて食べやすく、あっという間に体が芯からホカホカになる。せっかくだから少しでも体にいいものを、そして美味しいものを楽しく食べたい。元気でいるためには、こんな定食が一番かもしれない。

1.参鶏湯の手羽元は箸で簡単にほぐれるくらいホロホロに柔らかい
2.ハフハフとスープを頂き、最後のほうは十六穀米を投入して絡めるのがおすすめの食べ方
3.味噌汁には、ほうれん草、豆腐のほか、具としては個性派のトマトも入っている。季節の野菜を使った小鉢もあり、薬膳ということは忘れて楽しく食べられる美味しさ

薬膳カレーセット  1,200円

細かく粉砕した玉ねぎと人参・トマトのベースに、スパイスの香りと辛味をプラス。牛すじも入っていて食べ応え十分。辛さは調節OK。

薬膳カフェ kulaクラ ☎ 080-3452-2525 
[所]久留米市寺町58-8 
[営]11:30~16:00(OS15:00) 
[休]月曜 [P]有

素朴なようで、食べ応えも十分!
老舗豆腐店の丁寧なお惣菜に大満足

豆藤豆藤定食(豆汁・日替わり惣菜3種・ごはん)715円

おかず 各+495円、惣菜 各+165円

大正10年から続く豆腐専門店[豆藤]。受け継がれた昔ながらの製法で作った豆腐を軸に、豆乳や豆腐料理の店を福岡市内で展開してきて、2店舗目として久留米にオープンしたのが今年5月。年季の入ったアパート「豆藤荘」の1階は、定食やテイクアウト惣菜目当ての人で朝から賑わう。ここでまず味わうべきは、名物として知られる「豆汁」だ。具沢山の味噌汁かと思いきや、実は自家製の濃厚な豆乳を使って豚骨を煮出したオリジナルの汁物。豆乳のふわっとした口当たりと豚骨らしいクリーミーさがあり、人参や大根などの野菜と豆腐がゴロゴロ入っていて、間違いなく体が元気になる一品だ。豆汁と日替わりの惣菜3種の「豆藤定食」は、おかずや惣菜、デザートをその日の気分でプラスすることができる。柔らかいのにしっかりと弾力もある豆腐ハンバーグ、生ゆばタルタルソースがかかったチキン南蛮やアジフライ、カリッと揚がった香ばしい厚揚げなど、どれも店内で丁寧に手作りされた自信作ばかりで、一度食べればトリコになる味わい。素朴なだけではなく食べ応えある豆腐料理、いろいろと試してみて欲しい。

1.豆汁は+200円で大サイズに変更が可能。豚骨ベースだけど重さがなくさっぱりと頂ける
2.なます、大豆煮、白和えといった惣菜にもファン多し。特に白和えは、白和え専用の豆腐を使っている
3.豆腐しゅうまい(写真右)は店頭では揚げたものを販売しているが、冷凍のままテイクアウトしてレンジ加熱するのもおすすめ

弁当  650円

チキン南蛮など5種のおかずからメインが選べて、どれもボリュームも野菜もたっぷり。たくさん買う人にはお得に買えるサブスクも。

豆藤まめふじ -kurume- ☎ 080-2489-8158 
[所]久留米市東櫛原町1201 豆藤荘1階 
[営]10:30~20:00 
[休]日曜 [P]有

メインを決められない
欲張りさん向け
魚料理を片っ端から食べ尽くす幸せ

OSAKANA DINING OBANAなが~いお皿のランチ御膳  1,500円

久留米で新鮮な魚料理を頂ける[OBANA]では、自慢の魚料理をメインにした定食がいくつもあるが、食べたいものが多くて決められない…という人におすすめなのが、このちょっとリッチな「御膳定食」だ。幅50センチはあろうかという細長い皿に、ズラーッと4品。日替わりの新鮮な魚のアラ炊き、サクサクの揚げたて有頭海老フライ、脂が乗った鯖の西京焼き、数種の刺身がキレイに並んでいて、思わず写真に撮りたくなるビジュアル。魚料理の専門店というだけあっておかず1つひとつのクオリティが高く、定食のメインを張る品々をこの1皿で一気に頂ける、まさに〝いいとこどり〟。しかも1品ずつが食べ応えのあるボリュームだから、まるで4種の定食を食べるような感覚で楽しめる魚尽くしの御膳。ちなみに、ここではどの定食をオーダーしてもサラダ・漬物・ご飯がおかわり自由なので、これだけおかずがあればご飯は食べ過ぎ必至といっても過言ではないだろう。このランチ御膳はほかのメニューに比べてかなりお得になっていて、1日5食限定。毎日完売必至なので、早目に訪れて確保すべし。

1.ふっくらと炊かれたあら炊きは旨味が濃く、甘辛味がご飯と相性◎
2.有頭海老フライは皿からはみ出すほどに大きく、頭から尻尾まで美味しい。自家製タルタルソースをたっぷりつけて
3.新鮮な刺身もあり、サラダや漬物もおかわりできてバランスも良いので、腹ペコで訪れたい

牡蠣フライ  350円

ココミ読者向けの特別メニュー! 兵庫や広島など、その時季に旬を迎えた鮮度抜群の牡蠣を使用。ランチに添えてみては?

OSAKANA DINING OBANAオサカナダイニングオバナ ☎ 0942-65-7840 [所]久留米市東町25-28 
[営]11:30~14:00 18:00~22:00 
[休]水曜 [P]近くに有料Pあり

人気おかず全部乗せの鉄板ランチ!
実家気分でたらふく食べよう

ココチ食堂鉄板ハンバーグ&チキン南蛮  1,300円

元々居酒屋のオーナーだったという店主が、居心地の良い場所になるように、と名付けた[ココチ食堂]。一番人気は鉄板で熱々に焼いた状態で運ばれてくるハンバーグとチキン南蛮、それに目玉焼き、小鉢2つまでついた「鉄板ハンバーグ&チキン南蛮」。人気のおかずを一気に楽しむことができて、まるで〝大人のお子様ランチ〟といえるような内容になっている。ハンバーグには生姜の風味が効いたジャポネソースがたっぷりかかっていて、ふわふわ、ジューシー。チキン南蛮は柔らかい食感で、ここの名物の1つ、「チキン南蛮定食」であればモモ肉・ムネ肉と部位を選ぶこともできる。タレやソースはほぼ自家製だから、手作りならではの家庭的で安心できる美味しさだ。ご飯は白米、発芽玄米、麦ご飯、ゴマ入りご飯から選べて、1杯までおかわり無料。自分でよそう方式なので、自分のお腹の減り具合と相談して量を調節すればいいものの、あまりにおかずが豊富でご飯が足りなくなる人がほとんどだそう。普段はご飯を控える人も、ここでは実家に帰った時のような感覚でお腹いっぱい食べる幸せを満喫してほしい。

1.チキン南蛮の甘酢は酸味がしっかりしていて、卵がゴロゴロ入ったタルタルソースを絡めれば最高の一言
2.小鉢は納豆、冷奴、めかぶ、もずく、ほうれん草のお浸し、温泉卵、卵豆腐の6種から2つを選べる
3.いりこや鯖節で丁寧に出汁を取った味噌汁にはワカメ、ネギのほか、すりゴマも入っていて、体が元気になる栄養素が豊富

エビフライ2尾&チキン南蛮  1,200円

大きさにこだわったプリプリのブラックタイガーは、迫力満点。チキン南蛮とともに、タルタルソースをたっぷり乗せて。

ココチ食堂 ☎ 0942-34-5131 
[所]久留米市日吉町2-3 飛永ビル102 
[営]11:30~14:30※なくなり次第閉店 
[休]日曜※土曜に不定休あり [P]有(2台)