MONTHLY FEATURES 今月の特集

ライフスタイルを考える住まいのカタチ

ライフスタイルを考える住まいのカタチ

あなたはどんな家に住んで、どんな暮らしがしたい?
明確なイメージを持つのはなかなか難しいもの。
今回、理想のライフスタイルを探すべく、個性豊かな5軒のお宅を訪ねてみた。

パンの焼ける香りに包まれて キッチンスタジオがある家(中古リノベーション)

何もわからなかった家造り 今の家賃で建てられる!

「家を建てるって、もちろん初めてのことで全然わからないから、ゼロからのスタート。普通はいくらかかるのかもわからなくて(笑)」
子どもが産まれるタイミングでマイホームを持つことに興味を持ったという久保さん。建てるならローンを組むためにも若い内がいいと、以前からココミを見て気になっていた建築デザイン会社へ。住んでいたアパートの家賃と同程度の支出で家を建てられることになり、トントン拍子に家造りが進んだそう。それは具体的な住まいのイメージがあったから。
「広くて使いやすくて、居心地のいいキッチンが欲しかったんです」

主婦が一番長い時間を過ごすキッチンだからこそ、居心地のいい空間に 多人数で囲める広い作業台がお気に入り
主婦が一番長い時間を過ごすキッチンだからこそ、居心地のいい空間に
多人数で囲める広い作業台がお気に入り

料理が大好きだから使い勝手のいいキッチンを

奥さんは料理教室を運営する会社に勤め、教室で生徒に教えるのはもちろん、自宅でもパンやケーキを作るほどの料理好き。だから、家族や友人と会話しながら料理ができる広いキッチンを持つ空間を求めたそう。そこで見つけたのが、広いLDKのある築27年の中古物件だった。
2つあった和室は、寝室や子ども部屋として使う3つの洋室に。希望していたウォークインクローゼットも作られ、LDKはさらに広いスペースを確保。そして何より工夫を凝らしたのがやはりキッチンだ。 
ワンフロアのLDKを、キッチンだけ段差をつけた木張りの天井にすることで特別な空間になるよう演出。アイアンと無垢材のフレームキッチン、オリジナルで造作された大きな作業台がプロの立つ調理場を思わせる。純和風の造りだった中古物件は、広いキッチンスタジオを持つモダンな洋風建築に生まれ変わった。

今はまだおもちゃ箱のような子ども部屋
今はまだおもちゃ箱のような子ども部屋
調理道具をあえて見せる収納で、出し入れしやすい
調理道具をあえて見せる収納で、出し入れしやすい
棚の高さまで計算し尽くされた、広くて大きなパントリー
棚の高さまで計算し尽くされた、広くて大きなパントリー

旬の食材を楽しく調理 自宅で料理を教えたい

「この家に住んでから、料理がもっと楽しくなりました。今は家族のために腕をふるっています。この間は、カリフラワーのポタージュを作ったんですよ。小松菜も加えてね」
最近は、仲良くなった近所の人々から採れたての野菜をもらうことも多く、キッチンには旬の食材が豊富にそろう。
「1歳の娘はまだ小さくて手が掛かるし、最近はパン作りもホームベーカリー任せ(笑)。この子が大きくなったら、ここで料理教室を開いたり、作ったものを販売したりしたいと思っているんです」
キッチンと共に広いリビングダイニングを作ったのは、将来生徒たちを迎えられるように。広い庭がある家を選んだのも、来客がある時に車を駐車することを見込んだものだ。今はキッチンに立つ久保さんの足元を歩き回るばかりの小さな娘も、一緒にパンを焼く日が来るのだろう。

住宅情報 中古物件リノベーション

間取り
3LDK平屋
リノベーション価格
1,000万円台
家族構成
久保夫妻(夫30代・妻30代)・長女(1歳)
施工
United Home's
  ☎ 0120-546-888
  [所]久留米市山川神代1-10-53 BAU38-1F

開放感あるリビングに自然と集まる家族 コの字型の家

バイクやサーフボードなどを置く趣味のガレージ
バイクやサーフボードなどを置く趣味のガレージ
広いリビングは長男がボールで壁当てをして遊ぶほど
広いリビングは長男がボールで壁当てをして遊ぶほど
コの字型だから、中庭はご近所から見えにくい
コの字型だから、中庭はご近所から見えにくい

独特なコの字型の家で中庭を眺めて暮らす

堤さん夫妻の実家は共に犬を飼っていた。だから、アパートの近くで土地が売り出されているのを見つけた時、マイホームを持つことと犬を飼うことはセットだったそうだ。
「3人目の子どもみたい(笑)。家を買ってからより賑やかになりました」
流行りの平屋にしたのは、やはり共に実家が平屋で、上り下りをしなくていい快適さを知っていたから。中庭を作れるようにコの字型にしたのは奥さんのアイデア。見た目がカッコいいからと、片流れ屋根を選んだのはご主人。こうして堤邸ならではの独特の形状をした家が誕生した。
「一番こだわったのは、コの字型のど真ん中にある大きなLDKです。寝る時以外、ほとんどの時間をみんなここで過ごしています」
LDKは傾斜天井のため高さを感じ、開放感に満ちている。フローリングには柔らかくて古くなるほど味が出る木材を使用。その一部に畳が敷き詰められ、広すぎるほどのLDKでそこに家族が自然と集まるような居心地の良い場所が作られている。
「子どもたちと昼寝をするんです。ゴロゴロしながらテレビを見たり」
ガラス戸を開くとウッドデッキとひと続きになっていっそう広くなり、開放感が増す。中庭にはモミジやミカンなどの数本のか細い木が揺れている。子どもたちの成長と共に、緑豊かな庭を作ってくれるはずだ。

住宅情報 新築一戸建て

間取り
3LDK平屋
建物価格
2,500万円台
家族構成
堤夫妻(夫40代・妻30代)・長男(小学生)・長女(園児)
施工
Craft One
  ☎ 0943-30-3969
  [所]八女市龍ヶ原155-1

ハーブに癒されながらエステサロンを経営 サロン兼住居

美容と健康に良いハーブを取り入れた生活を広めたい
美容と健康に良いハーブを取り入れた生活を広めたい
ラベンダー・ローズマリーなど約30種のハーブが家を囲む
ラベンダー・ローズマリーなど約30種のハーブが家を囲む
キッチンの収納スペースは、扉をしめてスッキリと
キッチンの収納スペースは、扉をしめてスッキリと

3人の子どもを育てつつ仕事にも邁進できる環境

現在、エステティシャン10年目になる奥さん。3人目の子どもが産まれて住んでいた家が手狭になることから、エステサロン[Borage]を兼ねた自宅を建てようと決意した。
「実はハウスメーカーにはサロンを経営することを言っていなかったんです。特に、LDKはお客様を迎えることを見越した造りをお願いしたから、不思議に思われたかも(笑)」
キッチンは収納を隠して生活感をなくし、カウンセリングを行うリビングと段差を付けて、お洒落なカフェのような仕上がりに。リビング内の階段は、2Fのひと部屋に設けられた小さなサロンに続く。赤と茶を基調にしたインテリアが素敵だ。
「昔からインテリアが好きで、テレビや雑誌をよく見て研究していました。この家はサロンらしくアジアンテイストでまとめています」
この家に引っ越してきてから、地元の女性起業家を支援する団体を立ち上げ、サロンの客も増えたとか。さらに、現在はハーブ専門家としての活動にも力を入れ、庭や玄関アプローチで約30種ものハーブを栽培する。リビングの隣にはアロマ&ハーブの雑貨を置く部屋も。
「ハーブ摘み体験ができるハーブ園を構想中です。国産ハーブの販売も」
さぞかし忙しい生活を送っているのだろうと思いきや、充実した様子。この家で新たな夢を膨らませる。

住宅情報 新築一戸建て

間取り
5LDK2階建て
建物価格
2,500万円台
家族構成
柴田夫妻(夫30代・妻30代)・長男(小学生)・次男(小学生)・長女(小学生)
施工
辰巳住研 久留米住宅展示場
 ☎ 0120-27-5087
 [所]久留米市山川追分1-7-18

音楽スタジオを完備 家族でセッションできる家 趣味を楽しむ

庭を作る代わりに広いバルコニーを。ホッと癒される空間
庭を作る代わりに広いバルコニーを。ホッと癒される空間
ステンレスとアイアンと木という組み合わせが好き
ステンレスとアイアンと木という組み合わせが好き
友達も呼んで、みんなでワイワイ遊べる場所に
友達も呼んで、みんなでワイワイ遊べる場所に

余計なものは足さないこざっぱりと男前に暮らす

「特に勧めたわけではないけれど、血筋なんでしょうね。みんな楽器が好きなんです。夫以外(笑)」
1Fには、防音設備を整えた本格的な音楽スタジオを構える。子どもたちが学生の時には、長女がドラム、長男がベース、奥さんは唄いながらキーボードを奏で、親子でセッションを楽しんだことも。今もドラムセットや色鮮やかなギターが並ぶ。シンクの付いたバーカウンターもあり、思わずドリンクを注文したくなる。
「いつかここでお店を始めるなんて、夢を叶えられたら。2世帯としてリビングに使うことも」
アイアンの手すりがクールな階段を上がった2Fが主な居住スペースに。家のすぐ側を線路が通り人通りが多いこの場所で外から人目が入らないようにしつつ、狭小地でもバルコニーで緑を楽しめる空間を作っている。また、むき出しになったステンレスのキッチンが目を引く。
「見え過ぎるから、配膳台みたいなものをこれから取り付けてもいいかなと。実は収納もあまりなくて。必要なものは後から付けたらいいと思って、シンプルな作りにしました」
母親に住んでもらうつもりで1Fに部屋を作ったものの、本人の希望で2Fへ。何事も予定通りにはいかない。状況に応じてフレキシブルに。時にはこだわりを捨てて、こざっぱりと暮らすのもいいかもしれない。

住宅情報 新築一戸建て

間取り
4LDK+防音室2階建て
建物価格
2,500万円台
家族構成
野田夫妻(夫40代・妻40代)・長女(20代)・長男(20代)・母(60代)
施工
未来工房
 ☎ 0942-32-4612
 [所]久留米市津福本町731

孫娘と暮らしを営む住みやすい老後の家 快適な生活動線

寝室前ホールのステンドグラスは、自身で色柄をセレクト
寝室前ホールのステンドグラスは、自身で色柄をセレクト
天気がいい日には、庭を眺めながらウッドデッキで朝食を
天気がいい日には、庭を眺めながらウッドデッキで朝食を
リビングに面した和室。低めの小上がりで腰かけることも
リビングに面した和室。低めの小上がりで腰かけることも

複雑な動線を描かない古民家風の家

奥村さんは漬物工場だった2階建ての古い家に住んでいた。約20年前に夫を亡くしてから跡継ぎもおらず、上り下りも大変だったことから、掘こたつとオリジナルの障子が古民家を思わせる住みやすい家を新築した。
「一番気に入っている場所は、キッチンの中にある小さなカウンター。作った料理をすぐに並べられるし、リビングからは見えない場所にあるカウンターだから、急な来客があっても慌てて皿を片付ける必要がなくて楽チン。それに、大きな窓から庭の花壇を眺めながら食事ができるの。一緒に住む孫と並んで食事をとることもあるんですよ」
キッチンから続くリビングは吹き抜けになっていて、2つの大きな天窓から陽の光が降り注ぐ。小上がりになった和室の先は、段差のないまま奥村さんの寝室につながっている。
「2Fは孫の部屋だから、片付けに行くくらい。1Fが工場だった昔の家と違って、こぢんまりとしていて便利。生活しやすくなりました」
実は、寝室前の小さなホールがもう一つの玄関になっていて、1Fの空間を使ってカフェなどのお店を開くこともできるらしい。東京で働く娘が帰ってきた時には……。でも今は、孫と2人の落ち着いた生活が気に入っているという。
「80歳まではこのまま健康に生きたい! 庭作りを楽しみながらね」

住宅情報 新築一戸建て

間取り
3LDK2階建て
建物価格
1,000万円台
家族構成
奥村さん(70代)・孫(高校生)
施工
駅前工務店
 ☎ 0942-39-0888
 [所]久留米市東櫛原町2851-1