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株式会社ヒサシ通商 代表取締役社長 豊田 壽 全国へ職人技を届ける。

全国へ職人技を届ける。

豊田 壽 × 古田 紀久郎

幸鮨 本店 にて

株式会社ヒサシ通商 代表取締役社長
豊田 壽 Hisashi Toyota
1956年久留米市生まれ。2000年に荒木町で、全国でも数少ない酒米に特化した精米加工会社を創業。各地に点在する蔵元の酒造りをサポートするべく、今日も日本中を飛び回る。「久留米東ロータリークラブ」会長。
クリエイティブディレクター
古田 紀久郎 Kikuo Furuta
1975年久留米市生まれ。生まれ育った愛すべき久留米で、クリエイティブディレクターとして数多くの広告物に関わる。顔が大きいため市販のマスクが合わず、耳にかさぶたができて辛い毎日。マスク生活はいつまで続くのやら。

久留米を拠点に日夜稼働
品質を追い求めて

久留米市荒木町に広がる4500坪もの広い敷地に立つ大きな工場。豊田 壽氏が代表取締役社長を務める[株式会社ヒサシ通商]だ。ここでは、全国の酒蔵で使われる酒米を削るべく、昼夜問わず精米機が稼働している。それは、よりよい品質を追求してきた職人たちによる高度かつ繊細な作業である。
「お米の外側はたんぱく質でできていて、それってお酒にすると雑味になる。だから、削れば削るほどすっきりとした味わいになるんです。大吟醸になると、一粒のお米を半分以上削らないといけない。半分まで削るためには、連続でずっと動かし続けて丸2日かかる」
酒米には「心白」と呼ばれる核があり、これを傷つけると日本酒の原料としての価値が失われてしまう。毎年変化する酒米の作柄を見極めて、また、その日の気温と湿度に合わせて調整しながら、慎重に手間暇かけて削るのだ。
「うちは職人技でやってるから。筑後一円の酒蔵はほぼうちで精米をやらせてもらってるし、噂を聞きつけた全国あちこちの酒蔵に精米したお米を納めてます」 自信たっぷりに微笑む豊田氏。今や全国規模で事業を展開する同社だが、たった一代で築き上げるまでの道のりは、もちろん決して平坦なものではなかった――。

反対を押して始めた精米

酒米の出来栄え、天候で削り方を変える。その技術は職人技

古田精米を始めたきっかけは何だったんですか?

豊田最初はね、東南アジアで仕事がしたかった。日本を飛び出して何かできんかなって。でも、実家が農業資材を扱う会社をやっていたから、それを継ぐことになって。

古田元々はまったく違う仕事をしてたんですね。

豊田そうそう。だけど、ちょうど流通形態が変わってきてた時代だったから、このまま行くと斜陽産業になるだろうなと思ってたときに、たまたま精米という仕事があることを知って興味を持ったんですよ。当時はね、お酒がなんでできてるかってこともよく知らなかった。でも、やってみようと思ったら奥が深くてね。

古田奥が深いと言いますと?

豊田お米の削り方で、お酒の味が変わるわけだから。それで大きな精米機を導入しました。この一台にかけるくらいの気持ちで。

古田そうやって事業転換を図っていったということですね。

豊田ベンチャー企業を立ち上げるつもりでチャレンジをしたんだけど、みんな反対やったよ。反対されたから、余計に絶対やってやるって思って、銀行の融資から一人で全部やって。それが27歳のとき。もう40年くらい前になるかな。

古田すごいですねぇ。

豊田でも、そりゃあすぐにはうまくいかなくて。醸造試験場というところがあって、そこの先生たちと話したりとか、酒類を管轄している国税局まで行って、鑑定官の先生に頭を下げて教えてくれって頼んでから、分析をお願いしたりとかしてね。ほんとに日参したよ。

古田努力されたんですね。

豊田品評会に出すための酒米を削ってくれって言われたときは、品質を可視化するためにデータを作ってね。それまでどこの会社もそんなことやってなかったから、いちいち先生たちと協議しながら、寝ずに試行錯誤してやり方を作りあげていった。それで当時は半分までしか削れなかったのを6割5分から7割削れるようになって品評会に出して。

古田その熱意がすごい。目の付け所もよかったでしょうけど。

豊田ちょうどね、需要にも乗ったというか。当時ちょうどお酒のブームがあったのは知ってる? 焼酎ブームが少し陰りになったとき、今度は日本酒が出回り始めて。だから、タイミングが良かった。

客の望みを見極めるために

「最近は酒蔵に呼ばれてリモート講演をすることも」と豊田氏

古田そうやって努力されてきたから、今では全国の酒蔵に慕われてるんですね。

豊田うちの仕事っていうのは、精米だけをやってるわけじゃないから。お客様まで酒米を届けて、届けたもので良い酒ができてることが絶対条件だと思ってる。だから、一通りお酒が造れるんですよ。

古田精米だけじゃないんですか。

豊田国税局の鑑定官の先生たちから教えてもらったりとか、醸造試験場で精米だけじゃなくてお酒造りのことまで教えてもらったりとか、実際に造り酒屋さんに忙しいときに行ったりすると手伝えって言われて、いろいろさせてもらった。だから、全部できる。お客様に喜んでもらえているのは、精米するだけじゃなくて、お酒造りのことがわかってるから。先方が何を望んでいるかってことがわかってやってるから。そういったこともあるね。

古田なるほど、酒蔵を支える縁の下の力持ちなんですね。今後はどう展開される予定ですか?

豊田海外での日本酒のシェアっていうのはまだ微々たるものだから、今、酒造業界は海外に向けて事業展開をしようとしていて、これから輸出を伸ばしましょうっていうのが国の政策。だから、外に出て行くとなると、今度は国際基準の工場を作らないといかん。

古田だから、あんなにきれいで大きな工場を作ってるんですね。

豊田昔みたいにやっていても通用せん。この秋には食品安全に関する国際規格であるISO22000を取得予定です。どんなに技術が高くても国際基準をクリアしないとこれから選ばれんようになるからね。

古田日本の名産品である日本酒が海外でどんどん飲まれるようになるのが楽しみですね。

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