人生の先輩にお話を聞きに行きます! オトナ空間

株式会社ユニゾン代表取締役 本間 敬二 久留米の音楽文化を繋ぐ。

久留米の音楽文化を繋ぐ。

株式会社ユニゾン代表取締役
本間 敬二 Keiji Honma
1964年久留米市生まれ。[ユニゾン音楽教室]を主宰し、合唱団の指揮・指導も。「久留米大学人間健康学部」非常勤講師、「武蔵野音楽大学同窓会福岡県支部」支部長、「久留米音楽協会(NPO)」理事・事務局。

音楽のあふれる家庭で
一途に志した音楽家への道

「小さい頃からいつもそこに音楽が自然とありました」
幼少期の本間 敬二氏の自宅は、医者である父が音楽活動に勤しむ姿があり、「上を向いて歩こう」を作曲した中村 八大などの音楽家たちが出入りする環境にあったという。
小学校にあがるとピアノを本格的に習うようになり、小学校高学年から中学校にかけて吹奏楽部に入部。進学した[武蔵野音楽大学]ではピアノを専門に学びながら、指揮や作曲などさまざまな素養を身に付けた。大学卒業後、「西日本出身新人紹介演奏会」で「西日本新聞社賞」を受賞。これをきっかけに、数多くの演奏会に出演し、久留米を拠点に音楽家として活動をスタートさせた。
現在は[ユニゾン音楽教室]で園児から70代のオトナまで30人の生徒を教えながら、[久留米大学]で非常勤講師としてピアノを指導し、小郡市の[本間病院]では音楽療法をサポート。また、4つの合唱団の指揮・指導に励み、「久留米児童合唱団」で事務局長を務める。さらに、令和元年には「久留米商工会議所の歌」の作詞・作曲を手掛けるなど、その活動内容は枚挙にいとまがない。 今回は妻・祐子さん(ピアノ講師)、長女・みのりさん(声楽・ピアノ講師)を交えて話を伺う。見えてきたのは、久留米の音楽文化に対する誇りと未来を見据える情熱だった。

歳を重ねて務まる使命

「僕らは作り手、演奏者の想いを若者に伝えるべき年代」と本間氏

幅広い活動の中、地域文化活動について、どのようなお気持ちで活動されているのでしょう。

本間例えば、私が携わっている「久留米児童合唱団」は51年続く合唱団で、久留米の一つの文化だと思っています。今後もずっと続いていくように、大切に守っていかないといけないと思うんですよね。それが、児童合唱団のためだけではなく、地域文化の循環と発展に繋がると思っているんです。

みのり「久留米児童合唱団」は、私も所属していたんです。高校3年で団員は退団しますが、その後も父はずっと関わっていて、団のためにいろんなサポートをしていました。それで、今は事務局長になっています。世話好きなんですよね。

本間子どもたちの活動が衰えると地域の文化って廃れちゃうじゃないですか。だから、それをサポートすることは大切で、若い頃は自分のことだけに必死でも、歳を重ねてそういうことができる年代、しなくてはいけない年代になっている。上と下の世代を繋いでいかなければならない立場なのかなと思っています。

祐子個人的には、「筑後川」という50年以上前に作られた合唱組曲があるんですけど、若い人たちにも歌い継がれるような活動を主人にはぜひしてもらいたいなと思ってます。

本間「筑後川」は父が指揮をしていた「久留米音協合唱団」の創立5周年に作曲を團 伊玖磨先生、作詞を丸山 豊先生に委嘱して作られた曲で、今や全国各地で歌われていて合唱界ではベストセラーなんですよ。ありがたいことに、團先生の指揮では何度も演奏させて頂き、この曲のこともゆっくりお話を伺う機会がありましたので、先生方の声や想いを伝えていくことも僕らの使命だと思うんです。嬉しいことに久留米でも大切に歌い継がれていて、7年前の調査では市内公立中学校17校の内8校が「筑後川」の終曲「河口」を卒業式で歌っていたんですよ。

今、久留米の子どもたちの多くは「河口」を歌えるのですか?

祐子はい。でもコロナで歌えなくなって、この2、3年はそれができていないでしょうね。

やはりコロナの影響は大きかったのでしょうか?

本間大きかったですね。合唱は特に練習すらできないことがずっと続きました。どの団も2年間本番はできなかったでしょう。子どもたちは卒業しちゃうから、本番ができないまま終わってしまって本当にかわいそうでした。特に若い子の文化活動って経験することで引き継がれていくので、2年できないと繋がらなくなることが多いんですよ。どうやっていたんだろうってことがたくさん起きて、とても心配です。

地域の人々の心を豊かに

オトナの皆さんが集まる合唱団はいかがですか?

本間どの団もまだ元通りの活動はできてませんが、徐々に戻ってきていますね。私より年上の団員も多いのですが、練習時の皆さんの元気な歌声に毎回私の方がパワーを貰っている感じです。この団員の皆さんも、若い頃に音楽に触れて合唱に出会い、心豊かになられたことで、これまで歌い続けているのだと思うし、このような一人ひとりの継続的な活動が地域文化の発展に繋がると思うので、なおさら児童や中高生へのサポートが大切だなと感じています。

みのり私から見た父は、ほんとに縁の下の力持ちで、私にはできないなって思っています。団員やお客様に喜んで欲しいと、その団に合わせて編曲して楽譜を書いて、毎週指揮をしながら教えて。4団体も簡単にやっているように見えるけど、この熱量で何十年も続けるのはすごいなと。久留米や福岡の若い音楽家のためには演奏する場所を作り続けてくれているし、地域の人たちの心が豊かになるような活動をし続けてきた人だなと思います。裏方でも自分が演奏する場でも全力でやる父をほんとに尊敬しています。

祐子娘からそんなに思ってもらえて良かったね~。

本間まだまだ頑張ります(照)。

私の必需品
ピアノ
昭和37年に製造されたYAMA HAのグランドピアノ。黒塗りの一般的なものとは違い、赤茶の木目が美しい海外輸出用。本間氏の師匠が惚れ込んで買い取り、その後高校生だった氏が譲り受けた。苦楽をともにしてきたそのピアノは、本間氏の自宅リビングで家族に見守られながら静かに佇む。

ユニゾン音楽教室

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0942-37-2980
[所] 久留米市櫛原町84-2
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