古田はなえさんって言ったら日曜市。でも、久留米の方じゃないよね。

若江そうなんですよ、熊本出身。

古田故郷愛というものがあるわけじゃないのに、なんで日曜市を？

若江よく言われるんだけど（笑）、久留米に初めて来て、地元の人と話した時、昔の久留米はすごかったという話をたくさんしてくれるんですよね。今の久留米の良いところとか、受け継いできたものとか、新しく作り上げようとしているものとか、何かいっぱいあるような気がして。今住んでいるこの町が全国で一番だぜって、みんなで言えたらいいなぁ、みたいなのが始まりですね。

古田2009年に「くるめ日曜市の会」を発足させたということは、［はなえ矯正歯科］の開業と同時期ですよね。よくそんなエネルギーが。

若江逆に開業してすぐは暇だったんです、患者さんも少なくて（笑）。10年後の自分が何か立ち上げようというエネルギーがあるかなぁと思うと、その自信もなかったから。その頃は何も失うものがなかったし、自分の利益とも関係なく、誰とでも対等に話ができるとも思ってね。

古田僕の感じる日曜市の風景っていうのは、すごい楽しいんですよね。子どもとかも連れてって、お店の人に声かけてもらって、こげんこげんって説明を受けて、これウマいって。それで5千円とか使いますもんね。

若江ありがとうございます（笑）。

古田ネットとかが普及して、作った人の顔どころか何も見えないじゃないですか、値段だけみたいな。

若江そうですねぇ。私もそれで調べるようになって。久留米のショッピングセンターなんかすごい売り上げなので、町の購買力が下がってるとかじゃなくて、単にお買い物する場所が変わっただけ。でも、そうした場所が栄えているのは、町のアイデンティティとして誇らしいという価値観にはつながってないのかなと。

古田僕は昔から”商品の温度“って呼んでるんですよ。ショッピングセンターとかやったら、温度がないんですよね。生産者から手渡しとかやったらそのまま温度が伝わるもん。

若江そうですねぇ。

古田日曜市に行けば、おばちゃんが「食べんねー食べんねー」って言って、「こげんやって作ったとよー」って教えてくれたり。

若江豊かなことですよね。ただ買うだけじゃなくて、出会いがあったり、再会があったり、そういう交流の場にもなってるみたい。

古田久留米に日曜市という新しいコミュニティができてる。

若江あそこに行くとなんとなく誰かがいて、なんとなく手を差し伸べてくれそうだったり、困りごとを解決できそうだったり、新しいご縁があったり。そういうような場所が提供できると私は一番嬉しい。

古田それがきっと町づくりになっていく。定期的にありよるけん、行ったら誰かがおるやろうみたいな。そんな所、他にないですもんね。

若江そうねぇ、本当はそれこそ毎週とかやりたい気もするけど、今は全部ボランティアでまかなっているので月1回継続するのが精いっぱい。まずはどんなに器が小さくても続けようと思ってます。

古田はなえさんの今までで一番の功績って言うと、封鎖したことですよね、あの明治通りを！

若江たくさんの方のおかげで、ホコ天になった明治通りをステージに出店できました。夢にまで見たことだったから、すごく感謝しています。

古田あれは画期的だったと思うよ！　しかも、はなえさん、そこで結婚しましたからね。［久留米シティプラザ］の長い階段にレッドカーペットが敷かれて。もうどこかの王妃みたいに降りてこらした。明治通り封鎖して、日曜市して、シティプラザ貸し切って、メインイベントははなえさんの結婚式！（笑）

若江通りかがりの人もお祝いしてくれて。シティプラザで他にも誰かしてくれないかなーと思ってるけど。

古田もう久留米人以上の久留米人。久留米の主たるキャラクターよ。

若江失敗ばっかりして、その都度怒られるみたいな。たぶんお騒がせなだけよ（笑）。